中国でよくみられる失敗事例としてあげられるのが、国外の製品、サービスまたは商業モデルを持ってきさえすれば中国で成功すると思っているというものである。実際にはこれが原因で失敗している例は少なくない。逆に海外の企業が本国のスキームをそのまま日本に持って来てどれだけ成功できるのかとイメージするとわかりやすいだろう。国外の成功モデルを持ってくるだけで成功にいたらないため、逆に過度に中国市場に迎合するようなケースもあるが、中国においてはそれがコンプライアンスに抵触するような事件につながり、そうなるとブランドイメージに影響を与えてしまうことになる。
10月に重慶で発生したウォルマートの豚肉の偽装販売がそれにあたるといえる。この事件は通常の豚肉を有機飼料だけで育てた豚と偽って販売したものである。これによりウォルマートには偽装販売などを理由に同市内にある全13店舗の15日間の営業停止と269万元(約324……
呉明憲