2.今回の会議のポイント (1)李克強の存在感 新華社は見出しにおいて、温家宝総理と李克強副総理が出席したとわざわざ強調している。本来、金融担当副総理は王岐山であるが、彼の扱いは小さい。これは、王岐山が次期総理有力候補という噂を打ち消し、李克強の次期総理就任がほぼ確定したことを示すものではないか。昨年末以来、李克強副総理は国家発展・改革委員会や財政部の全国工作座談会に出席して講話を行い、存在感をアピールしている。 (2)問題と潜在リスク ①金融機関の経営方式が粗放、②コーポレートガバナンスとリスク管理に問題、③農村金融・中小企業金融機関の発展の立遅れ、④金融監督管理能力の水準の低さ、⑤貸出政策と産業政策がバラバラ、⑥実体経済への支援が不十分、といった問題が指摘されている。 建設銀行の趙慶明高級エコノミストは、「長期にわたり銀行貸出は往々にして『立派なものを更に立派にし』ても、『困っている……
田中 修