■はじめに 有形固定資産は、日中を問わず多くの会社において重要な会社の資産として位置づけられ、一般的に高額な資産であることから資産保全のための現物管理が重要であることは言うまでもありません。また、取得原価の範囲や減価償却を通じて粉飾決算の原資となりやすい勘定科目でもあるため、会計上も注意が必要です。 そこで今回は、中国における有形固定資産の会計上・税務上の取扱いについて解説します。 なお、文中の質問に対する筆者の見解は私見である旨、あらかじめお断り致します。
Q:有形固定資産の取得原価について 中国現地法人での設備投資を検討しています。帳簿上、有形固定資産として計上すべき取得原価の範囲について、留意すべき点があれば教えて下さい。A:有形固定資産の取得原価について 中国の会計基準である「企業会計準則」によれば、有形固定資産とは、企業が製品の生産、役務の提供、賃貸又は……
中村 亨