上場企業はこの10年で主戦場を完全に海外へとシフトした。今後もこの動きは益々拡大するだろう。大げさのことを言うつもりは無いが、次の数十年、新興国市場の取り組み無くして日本企業の成長は愚か、現状維持も難しいだろう。
しかし、多くの企業はひたすら日本で行なってきた従来の事業とその成功体験だけを頼りに進出し、「中国市場は難しい。アジア市場は厄介だ。」と頭を抱える。なぜ日本企業は新興国市場で苦戦しているのか?答えは簡単である。各社とも日本市場では当たり前に出来ている4P戦略無きまま進出をしているからだ。
4P戦略とは、Product(商品)、Price(価格)、Place(商流)、Promotion(プロモーション)の総称で、これは市場が海外だろうが無かろうが商売をする上では必須となる基本的な概念だ。企業はどの国においてもこの4つの戦略を組み合わせ、最善の戦略を持たなければならない。
Product(……
森辺 一樹