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～現地法人における人的管理と内部統制を中心に～

I　はじめに

中国は、「世界の工場」として輸出主導による経済成長を果たしてきたが、近年では内需拡大への転換が図られつつあり、購買力のさらなる向上が期待される中国市場は、日本企業にとっても大きなビジネスチャンスとなっている。しかし、市場の規模が巨大であっても、他社との厳しい競争に勝ち抜かねばならないことに変わりはなく、その1つの方法として、中国の文化、風土、商慣習を熟知した中国人従業員を現地企業に積極的に採用し、その経営を現地に根づかせることの重要性が説かれているようになった。このような事情から、最近の中国ビジネスにおいては、「現地化」という言葉をよく耳にする。

しかし、実際に現地化を進め、中国人管理職に現地企業を任せてみたものの、日中両国の企業風土、商慣習の違いから日系企業ではなかなかその能力を発揮しえ……

劉新宇