まとめ 今回の報告のうち、2012年の政策(経済関連)の主要なポイントは以下のとおりである。 (1)構成の変化 ①「経済の平穏で比較的速い発展」が政策の筆頭項目となった。 2011年は「物価安定の維持」が筆頭項目であったが、これにより「経済成長の安定維持」が2012年の政策の最重要課題であることが明らかにされた。 ②「物価総水準の基本的安定の維持」が第2位となった。 特に2月の消費者物価上昇率が3.2%であったことから、インフレ防止は最重要課題ではなくなった。 ③「経済発展方式の転換加速」が大項目となった。 これは、第12次5ヵ年計画の主線ともされている。17回党大会以来胡錦濤総書記が強調しているフレーズであり、彼に配慮したものであろう。 ④「社会建設の強化」が民政の保障・改善の一部に組み込まれた。 2011年は特に強調されていたが、再び「民生」の一部となった。 ⑤「民政の保障・改善」の小項目の順位が変更……
田中 修