■はじめに 買掛金(应付账款)とは、取引先との通常の商取引によって生じた債務であり、具体的には商品等を掛けにより仕入れた場合に代金を支払う義務をいいます。この考え方自体は日本と中国で変わるところはありませんが、その計上方法や勘定処理において中国の商慣習を背景とした特有の処理が見られます。今回は中国における買掛金勘定の特徴と経理実務における留意点について解説します。 なお、文中の質問に対する筆者の見解は私見である旨、あらかじめお断り致します。
Q:仕入計上時期について 当社は電子部品メーカーであり、日本でセットメーカーに電子部品を納入していましたが、セットメーカーの海外進出に伴い当社も中国に現地法人を設立し、生産能力の一部を中国に移転したところです。中国現地法人の工場では、中国国内で資材調達を行い、生産品の大部分を中国に進出している日系のセットメーカーに販売してい……中村 亨