はじめに 全人代では、最終日の総理内外記者会見以外にも、会期中に主要経済閣僚の記者会見が行われる。本稿では、政府3報告と重複していない内容を中心に、人民銀行の周小川行長、胡暁煉副行長、劉士余副行長、易綱副行長兼外貨管理局長の会見(3月11日)の概要を紹介する。
1.預金準備率引下げ (1)預金準備率の性格 周:一般的に言って、預金準備率の引上げ或いは引下げは、主として市場の流動性を調節するものである 。近年、預金準備率という手段の使用は、主として外貨準備の増加・減少がもたらす不胎化の要求と関連するものである。このため、絶対多数の情況下では、預金準備率の調整は決して金融政策の緩和・引締めを表明するものではない。 したがって、預金準備率を引き下げても、解放された資金は広範に国民経済の各方向に分布し、銀行が更に緩和された流動性資金を得ても、その日常的貸出の分布は各部門に向けられ、1……
田中 修