(3)吉林省延吉 ⅰ.ハングルが溢れる 2回目の北朝鮮国境線弾丸ツアーでのことです。
吉林省の延吉は、延辺朝鮮族自治州に位置する朝鮮族の街です。北京首都国際空港を飛び立ち、延吉の空港に降り立った私を待っていたのは、朝鮮族(中国の少数民族の1つ)の運転手でした。にこやかな笑顔に人の良さが表れていましたが、これまでに出会った運転手の多くは、ハンドルを握った途端、人格が一変する人達だったので、運転を開始するまではこの笑顔を信用する事ができませんでした。幸い、この運転手は本当に親切な人でした。通常、ガイドを付けていると逆に連れて行ってもらえないような場所にも、地元民であるこの運転手が融通を利かせて連れて行ってくれました。
車を走らせ始めてすぐに気付いたのは、街が一面、ハングル文字に覆われていることでした。ホテルでもどこでも、まず話しかけられる言葉は韓国語(朝鮮語)です。韓国語が分……
奥北 秀嗣