前回、「優秀な中国人」という表現は決まり文句のようなもので、ショーモナイ中国人もいれば、普通の中国人もいるし、優秀な中国人だってもちろんいる、その当たり前の現実に気がつくべきだ、という趣旨のことを書いた。とは言え、優秀であろうが無かろうが、外国に来てひたむきに頑張っている彼らを見れば、自然と頭が下がるというものだ。「優秀な中国人」という表現のウラにはそんな気持ちも含まれている。私自身、アメリカに留学、勤務した経験があるからこそ感じるのだが、たいていの人は母国を出たら母国にいる時よりも頑張るものだ。そういう意味で、(日本に来ている)中国人は優秀だ、と言うことには共感できる。私だって今だからこそ言うが、日本で働いている時は毎日適当に過ごしていた。しかし海を渡った時は「アメリカに来たからには頑張ろう、アメリカ人なんかには絶対に負けない、日本人の底力を見せてやる!」そんな気持ちを強く持ってい……
井上 一幸