はじめに 4月1-3日、温家宝総理は広西・チワン族自治区、福建省の経済状況を視察するとともに、3日午前、福建・上海・江蘇・浙江省(市)の長を召集し、経済情勢座談会を開催した。これは、まもなく1-3月期のGDP成長率が公表されることを踏まえ、経済状況の厳しい沿海地域を訪ね、政府のマクロ経済政策への支持を取り付けておく狙いがあるものと見られる。本稿では、この視察における温家宝総理の主要な発言を紹介する。
1.視察での発言 (1)経済情勢 現在、わが国の経済運営状況は総体として良好である。いくらかの主要経済指標がある程度反落しているが、依然合理的な水準にあり、国民経済の運営は引き続きマクロ・コントロールが予期する方向へと発展している。有利な条件と積極要因を十分に見て取り、経済政策をしっかり遂行することへの自信を固めなければならない 。 同時に、頭脳を冷静に保ち、憂患意識を強め、経済運営に……
田中 修