新たな手段による収賄の認定
近年、市場競争が厳しさを増す中国では、一部の分野・業界において賄賂が頻発し、特に医療設備及び医薬品の販売、土地使用権の取得、インフラ建設工事、政府調達などの分野に関して問題が深刻化し、これにより、市場経済の健全な発展、順法を旨とする経営者・消費者の利益が大きく害されている。また、公務員が絡む贈収賄事件は、官業の癒着が明るみとなるだけに、信頼を裏切られた国民の心情には只ならぬものがある。
このような状況を重視した中国政府は、国連腐敗防止条約への加盟、国家腐敗予防局の設立、刑法の改正をはじめとして、賄賂に対する制裁を年々厳格化している。例えば、刑法改正案(七)により新設された「影響力を利用した収賄罪」は、収賄の主体を国家公務員の近親者、緊密な関係者へと拡大し、さらに刑法改正案(八)により、外国公職者、国際公共組織職員に対する贈賄も可……
劉新宇