日本の製造業がアジアで製品を販売する際、生産材であろうが消費材であろうが、また、輸出であろうが、現産現販(現地で生産し、現地で販売すること)であろうが重要なのは流通網の構築である。マーケティング4P戦略で言うところの「Place(流通)」である。いくら素晴らしい製品を適切な価格で、適切なプロモーションを通して顧客に伝えても、実際に商品を流通させられなければ売上は立たない。現地で売上を伸ばすのも、シェアを上げるのも、この流通網を如何に最適化できるかにかかっていると言っても過言ではないだろう。ここで言う最適化とは「流通網の構築」と「流通網のマネジメント」の両方を指す。
まず、流通網の構築だが、多くの企業が直面するのがどうやって流通網を構築するかだ。一部の例外を除き、アジア市場においては、日本企業が自社独自で流通網を構築していては時間と資金がいくらあっても足りない。従って、売る機能は分……
森辺 一樹