はじめに 温家宝総理は5月23日、国務院常務会議を開催し、経済情勢を分析するとともに、当面の政策を手配した。経済政策に関する国務院常務会議は4月13日に開催されたばかりであり、2ヶ月連続は異例である。4月のデータが3月よりも悪化し、経済の低下傾向に歯止めがかからないため、追加措置が必要になったのであろう。 本稿では、会議の概要とエコノミストの反応を紹介する。
1.国務院常務会議(新華網北京電2012年5月23日) 現在、わが国の経済運営は総体として平穏であり、経済成長は年初予期した目標区間内を維持しているが、内外環境は更に錯綜・複雑さを増しており、いくらかの新たな変化が出現している。世界経済の回復の曲折性・非常な困難性は更に際立ってきている。国内経済の運営においては、依然いくらかの際立った矛盾・問題が存在し、とりわけ経済の下振れ圧力が増大している。我々は、有利な条件と積極要因を見て取り、……
田中 修