日本を離れ海外で生活を始めると、それがたとえどこであっても、今までとは勝手が異なるため、慣れるまでは一苦労があります。中国は日本の25倍の国土を誇り、生活の場とは言っても、単純に「中国」と一括りにすることはできません。乾燥の激しい北京、湿気の高い広州、大都会の上海、中国大陸とは一味違う香港、はたまた日本人の少ない内陸部など、中国国内であっても、その地域によって生活環境は大きく異なります。
中国の料理も、それぞれの環境によって、食材・味付けなどが大きく異なるため、やはり、「中国料理」「中華料理」とは一括りにできません。今回は、首都北京で生活した筆者の経験や在中日本人の方々から聞いた話をもとに、中国における「食事」について現地事情を紹介します。
1.北京に着いて早々 多くの日本人が北京で生活を始めて早々に悩まされるのが腹痛、下痢です。元々下痢をしやすい体質の人であれば気にする……
奥北 秀嗣