北京の道路では、日本ではなかなかお目にかかれない最高級スポーツカーが何台も走っています。ベンツ、BMWなどは大衆車かと思うほどです。中国の金持ちは本当に金持ちで、ピンきりのピンがピラミッドの先端を突き抜けているかと思うほどです。ただし、底辺の裾野も果てしなく広がっています。日本のような1億総中流階級意識という国とは全く異なる様相です。
1.カラオケに金持ち現る
北京にあるカラオケ店のオーナーから聞いた話です。この店のオーナーは大連人女性で、三度の飯よりお金が好きという分かりやすい人でした。中国人に多いパターンですが、それを何一つ卑しいとは思ってはおらず、あっけらかんとしていました。この女性は、日本の大阪で長年生活したことがあり、関西弁が流暢でした。
ある日の深夜12時過ぎ、この女性が経営するカラオケ店に、河北省一の金持ちの子女と結婚している「中国人男性」がやって来まし……
奥北 秀嗣