2012年3月12日、中国動画サイト最大手の「優酷」が、ライバルの「土豆網」を株式交換で買収することが発表されました。「優酷」と「土豆網」は、いわば中国の「ユーチューブ」です。中国では、日本のドラマが、日本での放映日翌日には中国語の字幕付きのうえ、無料で「優酷」や「土豆網」で見ることができます。日本同様、韓流ブームの中国では韓国のドラマはもちろん、アメリカのドラマなども、同様に翌日には見ることができます。 今回は、「優酷」による「土豆網」の買収という報道の裏側にある、中国の知的財産権事情の一例を紹介します。
1.中国の街角で 中国では、街角で正規版ではないDVDが売られています。日本のドラマや映画なども、放映された翌日にはDVDが売り出されます。たった1日で中国語の字幕付きのものが制作されているのです。
これは中国の一部地域に限られたことではありません。大都市・上海の街中でも、リアカ……
奥北 秀嗣