会員専用

　7月の数値はその殆どが市場の予想よりも低く、しかも多くの数値が今年最低であった。消費者物価前年同期比上昇率1.8％は、2010年2月以降30ヵ月ぶりの新低水準である。輸出の同1％増は、今年2月以来の新低水準である。工業付加価値同9.2％増は、2009年6月以来38ヵ月ぶりの新低水準である。社会消費品小売総額同13.1％増は、2011年3月以来17ヶ月ぶりの新低水準である（新華社上海電2011年8月12日）。また7月の財政収入の伸びは同8.2％増であり、なかでも税収の伸びは同4.6％増と、10％以下になった。 　さらに、7月の輸出は市場の予想7.5％を大幅に下回り、貿易黒字251.5億ドルは市場の予想350億ドルを下回った（新華網上海電2011年8月11日）。新規貸出増5401億元は、市場予想の中間値6800億元[1] を下回った。他方で銀行の預金が5006億元減少したため、銀行の預貸比率が69％前後にまで上昇し、銀行貸出の制約条件が益々強まっている（新京報2011年8月11……

田中　修