■はじめに 日本本社が中国現地法人から配当を受ける場合、配当可能額は利益処分後の分配可能利益金額です。利益処分については、日本では会社法において利益処分に関するルールが定められていますが、中国現地法人においても同様に中国の外国企業法等の法律において利益処分に関するルールが定められています。ただし、中国には日本にない特有のルールが存在します。特に、外資企業においては利益処分において三項基金と呼ばれる基金の積み立てが求められています。 そこで今回は、中国における利益処分のうち、三項基金の内容と実務上の留意点について解説します。 なお、文中の質問に対する筆者の見解は私見である旨、あらかじめお断り致します。 Q1:三項基金について 三項基金について教えて下さい。 A1:三項基金について 中国では、外資企業に対して利益処分において三項基金の積み立てを義務付けています。 三……
中村 亨