◇基本と本質 不正の防止と適正な資金繰り。今回は不正の防止について述べる。現金と同じく、一人で出納行為(預金の払い出し)ができないような相互牽制の仕組みが必要。また、預金の出入りを日々記録し、定期的に帳簿残高と預金残高を照合すること。残高だけでなく、不適切な入出金がないかも確認すること。 ◇チェックポイント □銀行サイン権は会社のルールに則って登録されているか。 □インターネットバンキングを利用する際は、申請者と承認者を分けているか。 □預金の出入りが、都度、帳簿に記録されているか。 □帳簿残高と預金残高が一致しているか。 □預金出納の担当者と、帳簿記録の担当者が分かれているか。 □誤支払・二重支払を防ぐ仕組みが構築されているか。 ◇解説 万が一不正が発生した場合、被害金額は現金の比ではなくなるのが銀行預金。現金のように持ち逃げはできないが、事務処理を誤魔化すことにより、出金されてしまうリ……
山田 健司