はじめに
最近地方政府が次々に投資拡大計画を発表し、国家発展・改革委員会がプロジェクト認可を前向きに行っているため、一時「政府が1兆元の追加景気対策決定」といった「誤報」が流布された[1]。しかし、温家宝総理が夏季ダボス会議で明確にしたように、政府は追加補正予算を編成してはおらず、むしろ財政収入を1兆元下回るレベルにまで財政支出を厳しく抑え込んでいる。他方、地方政府の投資拡大計画に対しては懸念の声が大きい。本稿では、これに関するいくつかの論調を整理して紹介する。
1.現状
9月初以降、国家発展・改革委員会が認可を公表したプロジェクトは25の都市軌道交通計画、13の道路建設、10の公益事業プロジェクト(汚水処理・ゴミ焼却発電等)、7つの港湾・航路プロジェクトが含まれており、総投資規模は1兆元を超えている。1-9月に国家発展・改革委員会が認可を公表したプロジェクトの総投資額は5.02兆元前後となっている。……
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田中 修