はじめに 7-9月期のGDP実質成長率等が明らかになったことを受け、温家宝総理は10月18日国務院常務会議を召集し、10-12月期の経済政策の方針を決定した。またこれに先立ち、温家宝総理は10月12、13、15日に経済情勢座談会を開催している。本稿では、この概要を紹介したい。 1.国務院常務会議(10月18日) 概要は以下のとおりである(新華網北京電2012年10月18日)。なお、国家統計局が発表した9月の主要経済指標については、再掲を省略する。 1.1経済の現状 マクロ経済の各種指標を組み合わせてみると、現在、わが国経済の発展のファンダメンタルズは良好であり、経済成長は安定に向かい、かつ引き続き積極的な変化が出現している 。これは以下の点に現れている。 (1)経済成長が安定に向かい、9月の主要指標の伸びはある程度 加速している。 1-9月期のGDP成長率7.7%は、年初確定した目標の範囲内である。貨物輸送量は前年同期比11.8……
田中 修