1.科学的発展観が指導思想に マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、「3つの代表」重要思想とともに、党が長期に堅持しなければならない指導思想とされた。 なお報告は「発展は絶対の道理」という鄧小平の言葉を踏襲してはいるが、その本質的要求は「科学的発展の堅持である」と、事実上の内容の置き換えを行っている。 科学的発展観のポイントは、①経済社会の発展を推進し、②人間本位を中核とし、③全面性・協調性・持続可能性を有し、③統一的に企画し各方面を併せ考慮するような発展である。 2.「五位一体」 これまでの経済建設・政治建設・文化建設・社会建設に、新たに「生態文明建設」が追加された。すでに公害反対闘争の性格を帯びた大規模抗議行動が各地で発生しており、指導部としても社会の安定の観点から環境問題を見過ごせなくなったのであろう。 生態文明建設では、エネルギー・水・土地の消耗程度を大幅に引……
田中 修