今、多くの日本企業が抱える新興国市場における様々な悩みは、一人のグローバル人材で大きく変わるだろう。しかし、日本企業にはその一人がなかなか居ないのが現実である。
日本企業は基本的に業種、規模を問わず、新興国での現地化や現地への権限移譲が欧米企業と比較し著しく遅れている。分りやすく中国を例に取ると、現地社長に相当する「董事長」や「総経理」といった役職は基本的に日本人が努めている場合が多い。そして主要なポストも大半を日本からの駐在員が占めている。
なぜなのか?答えは簡単である。日本本社の現地法人を統括する担当役員が日本人でないとマネジメントし難いからだ。世界には60億の人材の選択肢があるにも係わらず、わざわざ自分から1.2億人に選択肢を小さくしてしまっているのだ。
勿論、最近では、部長クラスに現地人を抜擢している企業も多くあるが、同格ポストに日本人が付き、中国人部長の見張り役のよ……
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森辺 一樹