システムに頼らず自分でできる!中国子会社原価計算
(1)見積価格は本当に合っていますか?
原価計算制度の導入には手間と時間がかかる。
中国工場は労務や税関、現地政府のリスクを抑えるのに必死でそこまで手が回らないという工場も多い。
だからといって原価計算による損益管理をあきらめるのは本末転倒である。
損益管理は中長期的な投資判断に関わる重要な分析事項であるはずだ。
この連載ではシステムに頼らずできるだけ簡単な方法で中国工場の原価計算を行う現場のノウハウをお伝えしたい。
本格的な原価計算制度を導入していない工場の場合、近似的な原価データを持っているのは営業部門である。
営業部門では見積書作成時に製品ごとの詳細なデータを測定し、採算が取れることを確認した上で見積価格を算出する。
製造業の見積書は通常、以下のような構成で作成されているはずである。
■ 見積書の例
材料費:100 元
加工……
●
非会員の方は記事の一部しかご覧になれません。閲覧には会員ID、パスワードでのログインが必要となります。入会希望の方は
こちらへ
斉藤 孝史