前回はこんなことを書いた ~日本人は欧米諸語の抽象概念を訳語を創って理解してきた。しかし、欧米各国は日本語の「気持ち表現」を自国語に訳して理解しようなどとはせず、日本語はあいまいだと簡単に結論づけてしまった。
もちろんこれは歴史の必然である。明治時代の日本人は欧米のことを理解するのに必死だった。その逆は、どう考えてもあり得なかっただろう。しかし実は、最近になってようやく例外が生まれている。訳語を創ったわけではないが、日本語の抽象概念を説明しようという動きが見られるのだ。その一つが「もったいない」だ。ノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイのおかげで、mottainaiが世界に紹介された。マータイさんの「もったいないを世界共通語にしよう」との呼びかけで、mottainaiとしてそのまま世界に発信されている。ちなみに、もったいないキャンペーンのホームページには「もったいない」が次のように紹……
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井上 一幸