システムに頼らず自分でできる!中国子会社原価計算 (2) 加工チャージを見直そう! 前回の計算で見積書から算出した理論上の発生額が当月の実際発生額を上回っていた場合、取り得る改善策は次の2つの方向である。 (1) 費用一定のもと売上を伸ばす (2) 売上一定のもと費用を減らす 工場の改善活動は主に(2)に直結している。 しかしながら近年の中国における人件費の上昇は、改善活動で吸収するにはあまりにも急激だ。 (1)と(2)をバランス良く検討していかなければ長期的な損益改善にはならない。 では(1)の方向で売上を伸ばすにはどうすればよいだろうか? もちろん営業努力は大切なのだが、損益的に悪い仕事をいくら取っても苦しくなるばかりだ。 必要なのは「費用一定のもとで売上を伸ばす」こと、すなわち粗利益率を上げることである。 つまり、見積上明らかに採算の合わないものは値上げ交渉を行っていくべきだ。 材料の単価は仕入……
斉藤 孝史