「溈山」茶の登録商標争いを巡って―② 地名商標とは、地理的な名称を商標の内容として使用あるいは登録する商標を指す。 中国の現行商標法は中国国内の県レベル以上の行政区画の地名または消費者に知られた外国地名の商標としての使用が禁じられている。しかし、それ以外の地名は、商標として使用、登録することが可能である。 地名商標の特徴として、消費者は当該商標を使用した商品あるいは役務を、特定の産地と結びつける傾向があることがあげられる。従い、地名商標は自他商品の識別機能(顕著性)が実質的に弱いと言わざるを得ない。 本稿では、2011年度「中国最高法院知識産権審判案例指導」に収録された「溈山」商標をめぐる争いを通して、地名商標の保護と登録、使用における注意点を前回に続きご紹介する。 二、「溈山」商標の争いからみる地名商標の保護と登録、使用における注意点 「溈山」商標は地名であるのみならず、商品……
王倩