はじめに
中国の経済成長に伴い、中国国内においても研究開発事業が活発化されつつあり、そのうち、日本企業をはじめとする外国企業が行う研究開発費用が中国における研究開発事業の投資額にかなり含まれている模様である。実際に米誌「フォーチュン500」に掲げられた多国籍企業のうち、実に400社以上が中国に研究開発の拠点を設立しており、委託開発や共同開発に力を注いでいる。その背景には、中国で研究開発を行えば、巨大市場・中国の消費者のニーズや嗜好に応じた製品開発ができ、また、中国政府からも財政、土地利用、雇用等にかかる種々の優遇支援策が打ち出されるなど、外国企業による研究開発拠点設立を後押しする種々の要因が存在する。
研究開発の主たる目的は知的財産の創出にあるが、このような「知的財産」は、有体物とは異なり、「金庫に入れておけば安心」というわけにはいかないため、その活用とともに、常に流出のリスクがつきまとう。……
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劉新宇