アジア市場の最大の魅力は9億人の中間層にある。しかし、多くの日本企業は未だに富裕層への想いを捨てきれないでいるように感じる。もしくは、これでも中間層を狙っているつもりなのかもしれない。だとすると、どれだけ投資をしても、その成果を得るのは難しいだろう。
日本市場であっても、アジア市場であっても、ビジネスの基本は変わらない。基本となるのは、「何を」、「誰に」、「いくらで」、「どう」売るかである。多くの日本企業の場合、「高機能、高品質の日本企業製品を」、「富裕層に」、「高く」、「日本での成功体験を元に」売ろうとしている。しかし、本来は、「現地ニーズに即した製品を」、「中間層に」、「安く」、「現地のやり方で」売らなくてはならない。
アジアの中間層にとって最も重要となるのは価格だ。日本企業の多くは、この価格の基準を変えられないから、全てがおかしなことになる。一人当たりのGDPが4万ドルを超え……
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森辺 一樹