現在、多くの外資系企業が中国を市場と捉え、製品販売を展開している。総代理店の設置も販売モデルの一環としてよく取られる方法である。しかし一方で、並行輸入[1]を行う業者も横行しており、その結果、総代理店が事実上単なる一般代理店と化してしまう現象も起こっている。企業が多額の資金を投入して築き上げた中国市場が乱されている現状において、総代理店は如何に自己の権利を守っていくべきか、中国の法律は並行輸入についてどう定めているのか、規範化、安定した輸出市場を如何に構築するべきか。以下の事例がヒントとなれば幸いである。
「事例」
A社は日本の有名ブランド「XX」の所有者であり、製造者でもある。また、同ブランドの商標の国際登録も行っている。A社は中国市場において、「XX」ブランドの評判を広め、確立、維持するために、中国地域の総代理店としてB社を選定した。B社でも相応の物的資源と人的資源をつぎ込み、広い範囲でコマ……
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王穏