はじめに
3月17日、全人代閉幕直後に、新総理に選出された李克強が初の内外記者会見を行った。本稿では、このうち経済関連部分の概要を紹介する。
1.政府機構改革
およそ事を成そうとすれば、全ては理想と現実の間で可能な選択を行わなければならない。今回の改革案の核心は政府機能の転換であり、当然、政府の簡素化・権限の解放でもある。もし機構改革が政府内部の権力の配分最適化だとすれば、機能の転換は政府と市場、社会との関係の明確化・調整である。即ち、
①市場ができるものは、多くを市場に解放するということであり、
②社会がよくできるのであれば、社会に引き渡すということであり、
③政府は、管理しなければならない事をしっかり管理するということである。
機構改革は容易ではなく、機能の転換は更に困難である。それは一層深刻であるからだ。私はよく地方に視察に行った際、「何か始めよう創業しようとすると、数十の公印が必要……
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田中 修