軟臥の自席に戻ると、ゴルムド駅到着と同時に駅構内のトイレに駆けて行った友人が、ほっとした表情で座っていました。この友人は、結局、駅職員用の事務所棟トイレを借りて用を足したのでした。 友人:「何十分もの間、車内でトイレを利用できず、我慢を強いられた大勢の乗客が一度に押しかけたら、駅のトイレはどうせ全部空いていないと思った。だから、事務所棟に駆け込んだのだけど、1階は、1箇所は使用中、もう1箇所は故障中。2階に駆け上がるとようやく1箇所空いていたよ。客用のトイレに駆け込まなかった判断勝ちだね」 ほっとしたのか、うれしそうに事のいきさつを話してくれました。食堂車での朝食は断念したものの、昼食で食堂車を利用できることを楽しみにしている様子でした。 1. 午前中はのんびりと~高山病に苦しむまで~ チベット鉄道は、この路線の最高地点、標高5,072m(車内表示は「海抜5,079m」)に向かっ……
奥北 秀嗣