チベット鉄道の中で最も海抜の高い場所にある駅、唐古拉南駅(タングラ南駅、海抜4,951m)では記念写真を撮るつもりでした。ところが、駅に到着しても列車は止まる気配をみせないまま、先頭車両は通過してしまいました。唐古拉南駅の写真を撮り損ねたと思っていると、筆者の車両が駅に差し掛かった時点でようやく徐行し始めました。慌てて、車両を後ろへ歩いて行くと、何車両も行ったところの横に唐古拉南駅がありました。中国人の乗客とともに写真撮影をし終わった筆者は満足して、はるか前方の自席へと戻りました。 1.高山病(高原反応)始まる 旅行ガイドを見ると、「チベット鉄道車内は気圧調整もされており、また酸素調整もされるため、高山病の心配はない」と素晴らしいことが書かれていました。同行していた友人とは異なり、大いに高山病が心配だった筆者はその言葉に安心していました。しかし、海抜5,000mに近づいてきた辺りから、体の異変……
奥北 秀嗣