債権回収(売掛金回収ともいう)は、企業の対外取引において必然的に発生する問題である。企業が商業活動を行い、その最も直接的な目的は営利である。このため、如何にして売掛金の安全および回収可能性を保障し、不良債権、貸倒金とならないようにするかは、企業の直接の利益にかかわる問題である。
債権回収は単独で存在するものではなく、リスクの予防、リスクへの対応と解決を含む一つの複雑な系統的工程である。本文では中国の現行有効な法律法規に基づき、筆者のこれまでの実務経験に照らして、債権回収リスクの予防と対応方法について簡潔に説明する。
債権回収リスクが生まれる段階 筆者のこれまでの実務経験に照らせば、債権回収リスクは主として以下の段階で生まれる。 1. 取引先の選択 ― 経済力及び信用度の低い取引先を選択した。 2. 契約交渉/締結 ― 契約における権利義務の取り決めが不明確であり、または遺漏……
邱奇峰