2011年7月1日から実施された「社会保険法」第97条によれば、「外国人が中国国内で就業する場合、本法の規定を準用して社会保険に加入する」と定められている。本条項は国の法律の次元から外国人の中国社会保険加入という法律制度を初めて確立した。それでは、2年が経過し、外国人の中国社会保険加入制度は貫徹されているのであろうか。現在の立法の現状、実際の実施状況、今後予想される動向はどうであろうか。本問題について、本文では、以下の通り概要をまとめて紹介する。 立法の現状 1. 国の関連法令、政策 全国の社会保険管理作業の責を負う中央行政部門として、中国人的資源社会保障部(以下、「人社部」という)は「中国国内で就業する外国人の社会保険加入暫定弁法」を発布し、2011年10月15日から正式に施行されている。本暫定弁法は外国人の中国社会保険加入の具体的な枠組みを確定したものであり、要点は以下の通りである。
1) 中国……
邱奇峰