はじめに 2月8日、人民銀行は10-12月期の貨幣政策執行報告を発表した。人民銀行工作会議の公表文が2014年の金融政策を余り具体的に示さなかったため、この報告が2014年の金融政策を知る重要な手掛かりとなる。本稿ではそのポイントを紹介する。 1.マクロ経済の展望 1.1概況 直面する環境は依然複雑であり、制約・試練は少なくないが、経済発展の潜在能力・動力等の総合情況から見ると、将来一時期中国経済は平穏に好転し、安定の中で前進する態勢をなおも維持することが期待される 。 (1)経済発展の潜在能力と余地はかなり大きい 各方面の発展の情熱は高く、なお内在的な拡張の動力を有し、東部・中部・西部経済は相互補完・挽回の余地がある。とりわけ長年の急速な発展を経て、人的資本が継続的に累積し、インフラが大幅に改善し、工業生産とこれに付帯する能力もかなり大幅に向上したことは、生産効率の向上と取引コストの引下げに資する……
田中 修