今年、日本の大手家電メーカーの多くが巨額の赤字を計上した。高い技術力を誇りながらも、韓国や中国勢との競争に苦戦している。しかし、いちはやくアジアマネーを取り込み、成長の糧としようとしている日本企業もある。
長期的な人口減少による内需縮小が止まらない日本。アジア市場を中心とした外需獲得は企業の最大の課題となった。日本企業が過去に経験したことの無い新たな時代への突入だ。
2000年以前の日本企業のアジア進出は、基本的には安価な労働力を求めた製造拠点としての進出が中心であった。とにかく品質の高い製品を安く製造することが最大の目的であった。アジアで安く製造した製品は、日本はもとより欧米先進国が消費してくれたからだ。 それが2000年代に入り、アジアは徐々に消費マーケットとしても魅力的な市場を形成していった。しかし、多くの日本企業はこれに出遅れてしまったのだ。最近になりようやく日本の……
森辺 一樹