ポタラ宮の参観では、時間指定や厳格な時間制限の他に、厳しい所持品制限が行われていました。チベットの他の仏教寺院、ノルブリンカ、セラ寺、ジョカン、ガンデン・ゴンパなどでも、ライターを中心とした火気検査は行われていましたが、ポタラ宮での管理体制はそれ以上に厳重なものでした。ポタラ宮以外では、(空港などにあるのと同様な)安全検査器を通しさえすれば、リュックごと持ち込めたのにもかかわらず、ポタラ宮では、携帯できる品が、財布、携帯電話、パスポート等の貴重品のみに制限されました。 1.外国人に対する厳しい監視 高山病のためがんがんする頭で、息切れをしながら、ポタラ宮の300段の階段を上りました。中国人にとって最大の聖山である泰山を下から6時間かけて登ったときよりも、ポタラ宮での300段の階段の方が体にこたえました。ようやくの思いで、ポタラ宮に入ると、先代のダライ・ラマの写真はあったものの、当代のダライ・……
奥北 秀嗣