はじめに 3月13日、李克強総理は全人代閉幕後、恒例の内外記者会見を行った。本稿では、このうち経済関連部分を紹介する。 1.中国の金融・債務問題 中国経済にリスクがある、甚だしきは見通しが明るくないという報道については、最近私も目にした。類似の報道はかつて見知ったものであるといえよう。昨年中国経済が下振れるとの心配があったが、我々はこのような背景の下、プレッシャーに耐え年間経済主要予期目標を達成した。 金融・債務リスクについてはずっと高度に関心を払われており、昨年経済の下振れ圧力が増大する情況下、我々は政府債務問題を全面的に会計検査することを果断に決定した。これは勇気をもって問題に向き合うことを表明したものである。会計検査の結果はそのまま対外公表され、債務リスクが総体としてコントロール可能であり、政府の債務率(債務残高の対GDP比)が国際的に公認された警戒ライン以下であることが明らかにな……
田中 修