インドに「群盲象を撫でる」という寓話があります。数人の盲人が象の鼻や牙など別々の一部だけを触り、その感想について語り合う。しかし触った部位により感想が異なり、それぞれ自分が正しいと主張して対立が深まるが、後日、同じ物の別の部位だと気づき対立は解消される、というお話です。
中国の経済について語る時、同じ現象がしばしば起こります。全国で31の省があり、その一つ一つが日本全土に匹敵する中国では、自分がどこに居て、何の仕事をしているかによって、中国に対する印象も随分違ったものとなります。 そうは言っても全国の大体の平均値を出すことは可能です。読者の皆さんは自分の業界の市場規模はだいたいお分かりでしょうが、異なる業界を聞かれた場合どうしますか?今回はそういった疑問にお答えする、数字で読み解く中国経済規模です。
経済統計では基数項目が多ければ多いほどその精度が上がります。現在……
松本 健三