1.はじめに
2014年3月15日、改正消費者権益保護法が施行され、それに合わせ、同日に中国の最高人民法院による「食品薬品紛争事件の審理における法律適用の若干の問題に関する規定」[1](以下、「本規定」という)も施行されている。本規定は、過去数年の間に、食品・薬品安全事件が多発したことを踏まえ、食品・薬品安全に関連する消費者の権利を特に保護すべく、消費者権益保護法の改正と並行して、その内容を多く取り入れた上で制定されている。 食品・薬品安全に係る民事紛争の処理をめぐっては、多数の法律による規定が関係しており、司法実務上、判断基準が多岐にわたり、処理が複雑になりがちである。本規定は、こうした状況を意識し、法規定と処理基準の明確化を図った司法解釈として、前述の状況の解消につながることが期待されている。
2.本規定の……
劉新宇