ガンデン・ゴンパ(甘丹寺)参観を終えた筆者は、ラサへ戻る道中にあるチベット人の民家を訪問しました。我々外国人が訪問することができる民家は、富裕層に限られていました。到着早々、小学生の少年に応接間へ案内されました。 1.チベット人家庭に飾られる共産党の写真
応接間に入ってみると、何か違和感を感じました。その原因は、壁のあちらこちらに飾られていた、共産党関係の写真だったのです。1枚は、毛沢東、鄧小平、江沢民、胡錦濤の4名が写っている写真でした。1枚は、正面に足を組み、笑顔の毛沢東、その横にチベット仏教のラマと思われる人物が写っていました。
筆者:「この毛沢東の横にいる人は誰?」 チベット人ガイド:「若いころのパンチェン・ラマ10世だよ」
先代のパンチェン・ラマでした。中国中どこのチベット仏教寺院でも、パンチェン・ラマ10世の写真は飾られています。いわずもがな、ダライ・ラ……
奥北 秀嗣