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ポイント： ①第10次5か年計画（2001～05年）以来、国有企業に及ばなかった外資系企業の賃金上昇率は、第12次5か年計画（2011～15年）に入ってから国有企業のそれを超えている。 ②過去約15年間に縮小された外資企業と国有企業との賃金格差は再拡大に転じ、なかでも、高級管理者と技術者の賃金水準では国有企業より8割と4割高い。 ③人材獲得競争の激化を背景に、外資系企業内の職務別の賃金格差は国有企業のそれより大きい。 ●勢いを増す外資企業の賃金上昇

近年、中国の賃金上昇問題は投資環境の「悪化」の証拠としてよく取り上げられているが、しかし、改革開放政策が導入された1980年代以降の推移からみると、賃金上昇は別に新しいことではないといえる。

中国国家統計局によると、1980年代以降、経済の高成長や賃金制度改革の推進を背景に、中国の賃金水準は大幅に上昇し続けている。名目賃金の上昇率を期間別にみると、第6次5か……

馬成三