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－ロイヤリティへの課税を中心に－

1.はじめに

税関価格評価（関税評価）とは、税関が輸出入貨物の取引価格をベースとし、一定の法規範及び判定基準に従って、輸出入貨物の課税価格を確定することをいう。関税評価は、国家の関税徴収に直接的な影響を及ぼすのみならず、企業の利益とも密接に関わることから、税関が特別に重要視しているほか、外商投資企業を含む多くの企業の関心を集めている。 関税評価については、国際的なルール[1]が定められており、中国の課税価格の決定方法も、この国際的なルールに従って、以下の国内の法規定に定められているといえる。現在の中国において、関税評価に関する主な法規定として挙げられるのは、税関法55条、輸出入関税条例第3章の諸規定、税関輸出入貨物課税価格査定弁法（以下、「査定弁法」という）である。本稿では、税関価格評価のうち取引価格に関連する規定を簡単に説明したうえ、関連事例を踏ま……

劉新宇