GDPの30%以上にあたるフィリピン小売市場。マニラ経済圏を中心に所得の上昇が人々の購買意欲を掻き立てる。その欲求に答えるべく、モダン・トレード(近代小売)が更なる店舗展開を進めている。
フィリピンの近代小売の主役はなんといっても、『SM』、『Puregold』、『Robinsons』『Rustans』の4社だろう。中でもSMの存在感は一段と大きい。SMは、フィリピンを代表する中華系財閥であるシー財閥の企業だ。富裕層や中間層をターゲットとしたSM系デパート、モール、スーパー、ハイパー等は、圧倒的な存在感を放つ。 財閥内には小売以外に、銀行や不動産、建築関係の企業がある。特にBanco de Oro、通称BDO銀行は、フィリピン全土に770以上の支店を持つ、フィリピン最大の商業銀行だ。また、SMは、香港のWatson’sや米Ace HardwareとのJVでフィリピンでもWatson’sとAce Hardwareを展開している。
Puregoldは、スーパーを中心にフィリピン……
森辺 一樹