約9年前の2005年1月に中国大連に進出した「餃子の王将」は、今年10月末に中国から撤退することとなった。餃子の本場である中国に進出するという「餃子の王将」の勇気は称えるところがあるものの、その撤退も大きな教訓を残している。 中国では日本食ブームがみられているなか、お寿司からラーメンまで中国進出の日系企業のうち、成功の例も少なくない。「餃子の王将」を撤退に追い込ませた問題は、経営の商品(餃子、そして「焼き餃子」)と進出地(中国東北)にあるのではないかと、筆者は考えている。また教訓といえば、最たるものは中国進出にあたり、綿密な市場調査を行わなければならないことと、思い込みは禁物であることであろう。 中国でよく餃子を食べるのは東北地区
日本人は餃子を中華料理の代表と捉える傾向が強いが、実は中国ではよく餃子を食べる地域は、主に東北地区、華北地区(北……
馬成三