11月21日の共同通信に、「東洋ゴム、佛山の合弁会社から撤退、価格競争で採算合わず」という記事が掲載されました。 同社は高品質の自動車用ウレタンシートクッションで中国市場開拓を目指しましたが、「価格重視の汎用品に圧されて取引先を十分に確保できず採算性が厳しい」(同社広報)と判断し撤退を決めたそうです。はたして同社の市場調査はどうなっていたのでしょうか? 今回は中国市場の営業展開について、改めて考察したいと思います。 中国は新興国で遅れているので日本の製品を持っていけば中国で売れるはず、といまだ多くの日本人がお考えのようですが、現実は遥かにグローバル化が進んでおり、そして様々な要素が加わり複雑です。 今回のケースも日本での取引先(顧客)が中国に行くから付いて行き、顧客よりの受注を期待していたものとおもわれますが、取引先自身も現地化する必要に迫られ、日本での仕入先以外の他日系企業や、より低価……
松本 健三