2015年1月末になり、中国で前代未聞の事態が生じている。 きっかけは1月28日に中国国家工商行政管理総局が、中国シッピングサイト最大手「陶宝網(タオバオ)」を運営するアリババ(阿里巴巴)を名指しで、正規品率37.25%(偽物が62.75%)が業界最悪で、出店者の資格審査や商標権侵害など5大問題を提起し行政指導の改善を求めた。これに対してアリババは同日、同社の公式微博網(中国版Twitter)で反論。一方、1月27日の英フイナンシャル・タイムズ紙は、「中国の富豪、支払い遅延で地方政府を提訴」のタイトルで、民間企業と政府間での裁判が始まると報じている。はたして社会主義国の中国で、民間が政府と争うことが出来るのか?今回はこれらのニュースを深読みする。 アリババは昨年秋より話題に事欠かない超有名企業である。世界を驚かした昨年9月19日のニューヨークの新規株式公開。このIPOで過去最大の約250億米ドル(約2兆8,500億円)を……
松本 健三