はじめに 1月28日、中国共産党中央組織部は環境保護省党組書記を清華大学学長の陳吉寧氏に交代させることを決定し、2月27日に陳氏の環境大臣への人事が決まった。
この人事については、国務院各省庁大臣の中で51歳と最も若いこと、そして環境分野の専門家、名門清華大学の学長からの人事など、話題も多い。
陳氏が清華大学の下の方の副学長(副学長は2014年末現在で7名)になったときから注目していたが、その後、筆頭副学長、学長と順調に昇進しており、今回環境大臣になったが、中国の有力大学(北京大学・清華大学)学長は副大臣級の扱いとされており、ワンランクアップ昇進というわけである。また学者が大臣になった例には、現科学技術大臣の万鋼氏(元同済大学学長)がある。 1.環境保護省で士気を高めた 陳氏の経歴は、1964年生まれ、吉林省出身、清華大学土木環境学部で理学学士、理学修士を取得、渡英し、ロンドンのイン……
大野木 昇司